各種 遺言についてのイメージ画像

遺言

遺言とは、亡くなった方の最後の意思を表示したものであり、法律(民法)に定まった方式に従わなければ、何ら効力のない無効な遺言となってしまいます。

一般的に、遺書と勘違いをされている方がいらっしゃいますが、『遺言』と『遺書』は全くの別物です。遺言は、法律によってその方式が定められた大切な表現行為であり、決して縁起の悪いものではありません。
財産をお持ちの方は、家族を守る為にも、遺された方が良いものと言えるでしょう。

例えば、Aさんには妻と息子2人がおり、土地、建物、預金を遺して亡くなったとします。この場合、遺言がなければ3人で遺された財産をどのように分けていくのかを話し合う必要が出てきます。この話し合いの中で、分け方について争いになるケースが多々あります。私達もこれまで、分け方について話し合いがまとまらず、争いになるケースを目の当たりにしてきました。
しかし、Aさんが土地と建物を妻に、預金は息子2人で均等に分ける、という内容の遺言を遺していたらどうでしょうか?
分け方について話し合いをする必要はありませんし、争いが起こることもないでしょう。

自分が遺した財産で、家族や身内が争いになることほど悲しいことはありません。
しかし、遺言を遺すことによって、遺産についての争いを未然に防ぐことができるのです。



遺言の方式

遺言の方式は、普通方式特別方式の2つに分かれます。


普通方式

一般的な遺言の方式であり、さらに『自筆証書遺言』・『公正証書遺言』・『秘密証書遺言』の3つに分かれます。
通常の遺言は、この普通方式が使われます。

自筆証書遺言

全てを自分で書く遺言であり、内容全文、日付、氏名を自筆で書き、押印します。
押印に使用する印鑑は法律上の決まりはなく、認印でも結構ですが、実印を使用するのが一般的です。
全てを自筆で書く必要がある為、パソコンやワープロでの作成は無効となります。また、作成した日付を明確にする必要がある為、平成24年1月吉日、というような書き方も無効となります。
以上のような不備があると、法的に無効になる危険性があることには注意が必要です。

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メリット デメリット
  • 費用がかからない(安い)
  • 自分だけで簡単に作成できる
  • 存在、内容を誰にも知られないで作成できる
  • 方式の不備によって無効になるおそれがある
  • 自分で保管しなければならないため、紛失や偽造変造のおそれがある
  • 家庭裁判所による検認が必要になり、手間や時間がかかる

公正証書遺言

遺言者が、証人2名以上の立ち会いのもと、公証人に遺言の内容を説明し、それを基にして公証人が作成していく遺言です。
公証人が法的な要件を確認しながら作成するため、最も確実な遺言といえるでしょう。
また、公証役場で保管されるため、保管面においても安心できます。

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メリット デメリット
  • 公証人が作成するため、法的に確実性が高い
  • 公証役場で保管されるため、紛失や偽造変造のおそれがない
  • 家庭裁判所の検認が不要になる
  • 費用がかかる
  • 内容を、公証人と証人に知られてしまう
  • 公証役場まで行く、証人を用意する等の手間や時間がかかる

秘密証書遺言

その名の通り、内容を秘密にするため、全文を自分で作成しなければなりませんが、上記の自筆証書遺言とは違い、パソコンやワープロを使って作成することができます。
公証役場で保管されるため、保管面は安心できますが、公証人が遺言の内容を確認するわけではないので、自筆証書遺言と同様に不備があった場合は、無効になる危険性があります。
現在では、使われるケースは少ない種類の遺言といえます。

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メリット デメリット
  • 公証役場で保管されるため、紛失や偽造変造のおそれがない
  • 内容を誰にも知られないで作成できる
  • 費用がかかる
  • 方式の不備によって無効になるおそれがある
  • 公証役場まで行く、証人を用意する等の手間や時間がかかる
  • 家庭裁判所による検認が必要になり、手間や時間がかかる

特別方式

緊急の場合、普通方式での遺言が不可能な場合等に使われる方式です。
(例:死が目前に迫っている場合、伝染病で隔離されている場合等)
通常では使われない遺言の方式であり、あまり気にされる必要はないでしょう。